マンションの大規模修繕は、管理組合役員や修繕委員会だけではなく、あらゆる情報をオープンにし、居住者全員が共有することが大切です。
「そんな話聞いてないよ」「工事の音がうるさいよ」「もっと安くできたんじゃないか」「施工会社は理事長の知り合いじゃないか」など、後々様々な雑音が聞かれ、マンション内の人間関係に不協和音を生じさてしまうなどということは、よくある話なのです。そういう不幸を生まないためには、公明正大、透明性のある事業の進め方が重要。節目ふしめできちんと報告書を配布したり、説明会を開いたりといった情報開示、情報共有によって不満の声は圧倒的に少なくなるでしょう。
どんなタイミングで、報告すればいいの? もうそれは、細やかであればあるほどいいのですが、住民全員参加の説明会となると、ある程度の規模のマンションではなかなか集まれるものではありません。ですから、管理会社の協力も仰ぎながら、理事会や総会などで大規模修繕の検討に入ることを報告した後は、調査診断などを行い、施工前には住民説明会を開きます。その後も施工完了まで、掲示板や書面、電子掲示板やウェブサイトなどで、施工者の選定や外装仕上げの決定、逐次情報を公開するようにしましょう。
最初に修繕委員会の設置や、建物の診断結果、これを踏まえた修繕計画案を示し、施工会社の選定過程、工事の事前説明、施工の段階ごとに予想される生活への影響など、その都度報告しながら進めます。
大規模修繕に精通した設計コンサルタントや管理会社なら、こうしたタイミングのアドバイスや、説明への立ち会いなどの協力も得られます。また、専門の施工会社であれば、施工中の連絡事項や報告事項などもこまめに知らせてくれます。