マンションの管理計画認定制度ってご存じですか? 一定の基準を満たすマンションの管理計画の認定が可能となる「管理計画認定制度」が開始されたのは2022年のことです。その後、全国で認定マンションが順調に増加しています。
管理計画認定制度とは、国の基本方針に基づいて地方公共団体が独自の基準を定め、適切な管理を行っているマンションを認定する制度です。管理組合の管理者等が、作成したマンションの管理計画を自治体の首長に申請し、一定の認定基準を満たすと判断されれば認定が受けられる仕組みです。
類似した制度で混同されがちなものに、マンション管理適正評価制度がありますが、これは一般社団法人マンション管理業協会の評価制度で、中古市場におけるマンション価値を示すものとして、管理の状況を詳しく適正に評価するものです。
マンションの管理計画認定制度は、管理の適正化の推進を図るのが目的ですから、認定期間も5年と長く、審査項目もマンション管理適正評価制度に比べると厳しくありません。
では、管理計画が認定されることに、具体的に何のメリットがあるのでしょう?
➀区分所有者の管理への意識が高く保たれ、管理水準を維持向上しやすくなるため、居住環境がアップする
➁市場において適正に管理されたマンションとして評価されるため、資産価値が高まる
③適正に管理されたマンションが存在することで、立地している地域の価値の維持向上に資する
➃住宅金融支援機構融資の「フラット35」やマンション共用部分リフォーム融資の金利が年0.2%の引き下げが受けられる
➄「マンションすまい・る債」における利率上乗せが受けられる
➅マンション長寿命化促進税制の適用の対象となり、長寿命化工事の実施等一定の要件を満たす場合、固定資産税額が減額される=ただし、減税措置は区分所有者ごとの申告が必要となる
次に管理計画の認定基準はどのようなものでしょう? こちらについては、運営する自治体で一部違いがありますから、詳しくは必ずお住まいの市町のホームページからご確認ください。国が示している主な基準は以下のようなものです。
➀修繕その他管理の方法 • 長期修繕計画の計画期間が一定以上あることなど
➁修繕その他の管理に係る資金計画 • 修繕積立金の平均額が著しく低額でないことなど(修繕積立金ガイドラインで示す水準以上)
③管理組合の運営状況 • 総会を定期的に開催していることなど
➃その他 • 地方公共団体独自の基準に適合していることなど
マンション管理計画認定制度の申請は、総会にて管理計画認定制度への申請を決議した後、マンション管理士等や管理委託先等に事前確認を申請するか、地方公共団体へ直接申請します。次にマンション管理センターに認定申請を依頼(直接に、または、マンション管理士やマンション管理業協会、日本マンション管理士会連合会を通す)します。マンション管理士による事前確認を受けた後にマンション管理センターより事前確認適合通知を受ける流れです。